シロシュモクザメ（Smooth Hammerhead）図鑑
頭の前縁が「滑らか（スムーズ）」な曲線を描くハンマーヘッド。日本近海でも比較的よく見られる、温帯に適応したシュモクザメです。
基本情報
| 和名 | シロシュモクザメ |
|---|---|
| 英名 | Smooth Hammerhead |
| 学名 | Sphyrna zygaena |
| 分類 | メジロザメ目 シュモクザメ科 シュモクザメ属 |
| 体長 | 平均 2.5〜3.5m（最大 4m 程度） |
| 体重 | 最大 400kg 前後 |
| 生息域 | 沿岸〜外洋の表層（水深20m以浅に多い） |
| 分布 | 世界中の温帯〜熱帯海域。シュモクザメ類の中では最も冷たい水温（温帯）に適応している。 |
| IUCNレッドリスト | 危急（VU） |
| 危険度 | ★★★☆☆（3：大型で潜在的に危険） |
形態
シロシュモクザメは大型のシュモクザメですが、最大種（ヒラシュモクザメ）よりはやや小型です。
生態
生息域
他のシュモクザメよりも冷たい水を好み、温帯域まで広く分布します。日本近海でも夏場に沿岸で見られることがあります。
食性
魚類（ニシン、サバなど）、イカ・タコ類、小型のサメやエイを捕食します。アカエイの毒針が口元に残っている個体が見つかることもあります。
行動
若い個体は大規模な群れを作ることが知られており、数百匹で移動することもあります。成体は単独または小さな群れで行動します。
繁殖
胎生（卵黄依存型）。妊娠期間は約10〜11か月で、一度に20〜40尾ほどの仔を産みます。
人との関わり・危険性
大型で力強いため、潜在的に危険なサメとされています。日本でも海水浴場の近くに出没して遊泳禁止になるケースがありますが、実際に人を襲った確実な記録は非常に少ないです。
フカヒレ目的の漁獲や混獲により個体数が減少しており、IUCNでは「危急（VU）」に指定されています。
トリビア
- 和名の由来：「シロ」シュモクザメと呼ばれますが、体が白いわけではありません。由来は諸説ありますが、腹側が白いことや、死後に体色が白っぽくなることから来ていると言われます。
- 温帯への適応：他のハンマーヘッドが熱帯を好むのに対し、本種は日本の本州沿岸やニュージーランドなど、比較的涼しい海域でも見られます。
まとめ
シロシュモクザメは、頭の前縁が丸く滑らかなのが特徴のハンマーヘッドシャークです。日本を含む温帯域にも適応しており、夏場には沿岸に姿を現すこともあります。人への危険性は低いものの、海で出会った際は注意が必要です。
FAQ（よくある質問）
Q1. シロシュモクザメは人を襲いますか？
積極的に人を襲うことは稀ですが、大型で潜在的に危険です。海水浴場などに出没した際は立ち入り禁止になることがあります。
Q2. 他のシュモクザメとの見分け方は？
頭の前の縁（ふち）を見てください。中央にくぼみがなく、全体的に丸くカーブしているのがシロシュモクザメです。
Q3. どこで見られますか？
世界中の温帯〜熱帯海域に分布します。日本近海でも夏から秋にかけて沿岸で見られることがあります。
Q4. どのくらい大きくなりますか？
最大で4m程度になります。ヒラシュモクザメ（最大6m）よりは小型です。