基本情報
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和名:ガラパゴスザメ
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英名:Galapagos Shark
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学名:Carcharhinus galapagensis
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体長:平均 2.5〜3.3m(最大で3.7m近くに達する記録もある)
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体重:150〜190kg
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生息域:外洋の島嶼周辺、サンゴ礁やドロップオフ沿いの中層〜深場
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分布:世界の熱帯〜亜熱帯の島の周辺(ガラパゴス諸島、ハワイ、カリブ海の島々など)
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IUCN レッドリスト:準絶滅危惧(NT)>、2021年「絶滅危惧種(EN)」
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危険度:★★★☆☆(3:注意すべき大型種)
形態
ガラパゴスザメは、メジロザメ科に属する大型のサメで、がっしりした体つきと高めの第一背びれが特徴です。体色は灰褐色で、腹側は白く、尾びれや胸びれの先端がやや暗色になります。見た目はシルキーシャークやグレイリーフシャークに似ていますが、背びれがより高く、体が頑丈な点で区別されます。
生態
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行動:外洋の島周辺で群れを作って回遊することが多く、特にリーフの外縁や水深30〜100m付近でよく観察されます。若い個体は浅場、成魚はより深い場所に生息する傾向があります。
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食性:主に魚類(サバ科やニシン科などの群れを成す魚)やイカ類を捕食します。時にはエイや小型のサメを食べることも報告されています。
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繁殖:胎生で、1度に4〜16匹ほどの仔を産みます。妊娠期間は約1年。出産は沿岸の浅いラグーンなどで行われ、仔ザメは外敵から守られながら成長します。
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行動圏:同じ場所を巡回する習性があり、ダイバーからは「いつも同じルートを回っているサメ」として認識されることがあります。
人との関わり・危険性
ガラパゴスザメは人を積極的に襲うわけではありませんが、大型で好奇心が強く、ダイバーに接近することもあります。世界で数件の咬傷事故が報告されています。特にエサが豊富な漁場や、血や魚の切り身が漂う状況では警戒が必要です。
一方で、エコツーリズムの対象としても重要で、ガラパゴス諸島やハワイなどでは「ダイバーが必ず出会えるサメ」として観光資源になっています。
トリビア
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ダイバーの聖地:ガラパゴス諸島のダーウィン島やウルフ島では、ハンマーヘッドシャークの群れと一緒にガラパゴスザメもよく観察されます。
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似たサメとの見分け方:シルキーシャークやグレイリーフシャークに酷似していますが、背びれの位置と高さ、体の頑丈さで識別できます。
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保護の必要性:フカヒレ漁や混獲により数が減少しており、IUCNでは「準絶滅危惧(NT)」に指定されています。
まとめ
ガラパゴスザメは、外洋の島嶼環境を代表する大型サメです。迫力ある姿と群れをなして回遊する生態から、ダイバーにとって人気の対象ですが、同時に保護が必要な種でもあります。
FAQ(よくある質問)
Q1. ガラパゴスザメは人を襲いますか?
A. 積極的に人を襲うことはありませんが、大型で好奇心が強く、ダイバーに接近することがあります。世界では数件の咬傷事故が報告されているため、接近時には注意が必要です。
Q2. どこでガラパゴスザメを見ることができますか?
A. ガラパゴス諸島、ハワイ、カリブ海などの熱帯〜亜熱帯の島嶼周辺でよく見られます。特にガラパゴスのダーウィン島やウルフ島は有名な観察スポットです。
Q3. どのくらい大きくなりますか?
A. 平均で2.5〜3.3m、最大で3.7m近くに達する記録があります。体重は150〜190kgと頑丈な体を持つ大型種です。
Q4. 似たサメとどう見分ければよいですか?
A. シルキーシャークやグレイリーフシャークに似ていますが、ガラパゴスザメは背びれがより高く、体ががっしりしています。ダイバーや研究者は背びれの形と体格で見分けます。
Q5. 絶滅の心配はありますか?
A. はい。フカヒレ漁や混獲の影響で数が減少しており、IUCNでは「絶滅危惧種(EN)」に分類されています。観光資源としても重要なため、保護活動が進められています。
参考文献・出典
- IUCN Red List of Threatened Species https://www.iucnredlist.org/
- FishBase https://www.fishbase.se/
- FAO Fisheries & Aquaculture http://www.fao.org/fishery/