メガマウスザメはどこで見られますか？

熱帯〜温帯の外洋で散発的に記録されています。日本では相模湾・駿河湾などで報告がありますが、基本的に偶発的な観察や混獲による記録が中心です。

メガマウスザメは人を襲いますか？

いいえ。温和な濾過食で、人に対する攻撃性は報告されていません。接近・接触は避け、十分な距離で観察するのが望ましいです。

大型では全長7m級の報告があります。体重は個体差が大きく、公開されている記録は限られます。

深場環境（低温・加圧相当の条件）と広大な水槽が必要で、長期飼育の実績はありません。標本展示を除き、基本的に不可能と考えられています。

IUCNではLC（低懸念）に分類されています。ただし混獲と知見不足が課題で、今後も継続的なモニタリングが必要とされています。

体長に比して非常に大きな口と、軟骨なんこつ魚類らしいやわらかい体。口の内側は明るく、光を反射する構造が報告される。濾過ろかのための口腔内ひだや鰓えらの条じょうが発達し、海水ごと吸い込み、動物どうぶつプランクトン等をこし取る。背鰭・尾鰭は中庸で、遊泳は比較的ゆったり。

主に動物どうぶつプランクトン（オキアミやカイアシ類るい）や小魚を濾過摂食ろかせっしょく。夜間に表層へ上がる日周鉛直移動にっしゅうえんちょくいどうで、表層に集まる餌を効率よく取り込む。視覚や側線に加え、電気でんき感受の関与が示唆されるが、詳細は未解明。

記録自体が少なく、長期行動は不明点が多い。一般に外洋で単独〜少数で観察され、広域の長距離回遊かいゆうというより、水塊の変化に合わせた縦方向の移動が目立つ。

詳細は未解明が多いが、ネズミザメ目の例から胎生と考えられる。出生サイズは 1m 前後との推定もあるが、一次資料は限定的で検証中。成熟年齢・寿命についても研究途上。

温和で遭遇自体がまれ。濾過ろか食で人を攻撃こうげきすることはない。主なリスクは延縄・定置網などでの混獲。商業価値は低いが、情報不足が保全上の課題。

メガマウスザメは、巨大な口と濾過ろか摂食という特殊な生態せいたいをもつ外洋性のサメ。記録が少なく、研究の進展が期待される。人への危険は極めて低い一方、混獲と知見不足の解消が今後の課題。