まずは背びれ・尾びれ・模様という3つのチェックポイントから。遠目でも種類の見当をつけるための入門ガイドです。
海を泳ぐ影を見たとき、「あれはどんな種類のサメだろう?」と思ったことはありませんか? 実は、背びれや尾びれなど体の形の違いを知っていると、遠くからでも種類を推測できます。
ここでは、代表的なサメを見分けるための、誰でもできる3大チェックポイントを解説します。
1. 第一背びれの形と位置をチェック
海面から見える第一背びれは、サメ種類見分けの最も重要なヒントです。
背びれの特徴 | 代表的なサメ | 見分けのコツ |
---|---|---|
大きく高い三角形 | ホホジロザメ、オオメジロザメ | 角張り、先端がとがる。 |
後ろへ大きく曲がる | ヨシキリザメ、アオザメ | 後ろ側がなめらかな曲線。 |
小さくて丸い | ネコザメ、ドチザメ | 海底で暮らす種に多い形。 |
とくにホホジロザメは第一背びれが大きく、体の真ん中より前に位置しやすいのが特徴です。
2. 尾びれの形と長さを比べる
尾びれ(尾びれ)は、サメの泳ぐスピードや暮らす場所を教えてくれます。魚と違い、サメの尾びれは上下で大きさが異なります(上側が長い)。
尾びれの特徴 | 示す生態 | 代表的なサメ |
---|---|---|
上下がほぼ同じ(三日月形) | 高速遊泳が可能 | ホホジロザメ、アオザメ |
上側がとても長い | ゆっくり泳ぎ、海底に近い場所で生活 | ネコザメ、ドチザメ |
上側が大きく伸びる | 獲物を叩いて気絶させる | オナガザメ |
三日月形の尾びれは抵抗が少なく、長い時間速く泳ぐために進化した形です。
3. 体の模様・色で見分ける
海の色や光の具合で見えにくいこともありますが、独特な模様は確実な手がかりになります。
- 網目や斑点:ジンベエザメは白い水玉と線の模様。イヌザメやトラザメも斑点や横じまが特徴。
- 色の違い:青みが強い種は外洋での保護色になり、アオザメ・ヨシキリザメに多い。
模様が少ない大型種では、形や体の大きさをセットで見るのがコツです。
見分け方の事例:ホホジロザメとアオザメ
有名な2種を比べてみましょう。
特徴 | ホホジロザメ | アオザメ |
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体の形 | ずんぐり太い | 流線形でシャープ |
第一背びれ | 角張った大きな三角形 | 後ろへ大きく曲がる |
尾びれ | 上と下がほぼ同じ | 上と下がほぼ同じ(よりシャープ) |
色 | 背中は濃い灰色、腹は白 | 背中は鮮やかな青色 |
海で見る機会はまれですが、動画や水族館の映像で見比べるときに、この違いを活用してみてください。
FAQ(よくある質問)
背びれだけで種類は特定できる?
背びれの形は強力なヒントですが、尾びれ・体の模様・大きさも合わせて見ると精度が上がります。
オナガザメはどう見分ける?
尾びれ上葉じょうようが極端に長く、体長の半分近くに達することがあります。水面でムチのように振る行動が手がかり。
外洋の青いサメ(アオザメ/ヨシキリ)の見分けは?
アオザメは吻が長くシャープ、第一背びれは後ろへ大きく曲線。ヨシキリは体がやや細長く、胸びれが長い。
安全のための観察距離は?
種類に関係なく、接近・接触は避け、背を向けず静かに距離をとるのが基本です。詳しくは 行動マニュアルも参照。