約3億8000万年前(古生代デボン紀)に生息した、化石記録から知られる最も古い板鰓類の代表的な古代サメ。現生サメの祖先の一つと考えられており、古代サメ図鑑を構成する上で必須の存在です。
項目 | 内容 |
---|---|
和名 | クラドセラケ |
英名 | Cladoselache |
学名 | Cladoselache sp. |
推定体長 | 平均 1.0〜1.8m(最大 約2.0m 前後) |
生息時代 | 古生代デボン紀後期(約3億8000万年前) |
生息域 | 古代の浅海域・外洋 |
分類上の位置づけ | 最も原始的なサメ類の一つ |
危険度 | —(絶滅種) |
近い特徴のサメ | ヘリコプリオン(古代サメ・螺旋歯列) |
形態
現生サメと比較して原始的な特徴を持ち、体は細長い流線型。背びれは二基あり、各背びれに棘状の構造を持つとされます。最も際立つのは歯の形態で、鋭い三尖の歯が並び、獲物の捕捉に特化していたと考えられます。現生サメに見られる鼻孔と口を結ぶ溝や、歯が埋没した骨と接続する構造は持たなかったとされます。尾びれは三日月型で、高い遊泳能力を示唆します。
生態・食性
体つきから、比較的高速で遊泳する捕食者であったと推定され、食性は魚類や甲殻類。化石からは獲物を丸呑みしていた可能性が示されています。主に外洋性で、水深の浅い層を活発に泳ぎ回っていたと考えられます。
行動
脊椎骨が軟骨で化石に残りにくいものの、尾びれの形状などから、今日の外洋性サメに近い俊敏な捕食行動を取っていたと推測されています。
繁殖
卵胎生か卵生かは不明ですが、鰭(ひれ)には現生サメの交接器(クラスパー)に相当する構造が見られるため、体内受精を行っていたことは確実とされます。
トリビア
- アメリカ・オハイオ州のクリーブランド頁岩から全身骨格で発見されることがあり、サメとしては非常に稀少で貴重な化石です。
- 硬骨魚類が大繁栄する以前の時代に生き、当時の海で最も成功した捕食者の一つでした。
まとめ
クラドセラケは、現生サメの祖形を知る上で非常に重要な古代サメです。現生種にはない原始的特徴を多く残し、サメが4億年近く海洋生態系で上位捕食者として生きてきた歴史を物語ります。
FAQ(よくある質問)
クラドセラケはいつの時代のサメ?
古生代デボン紀後期、約3億8000万年前に生息していたとされます。
どのくらいの大きさ?
推定体長は平均 1.0〜1.8m、最大で約2m前後と考えられています(化石標本に基づく推定)。
どんな歯やあごの特徴がある?
鋭い三尖の歯が並び、獲物の捕捉に適していました。現生サメに見られる一部の骨格連結や溝構造は持たなかったとされます。
繁殖様式は?
卵生か卵胎生かは不明ですが、鰭に交接器(クラスパー)に相当する構造が見られ、体内受精を行っていたと考えられます。
どこで化石が見つかっている?
アメリカ・オハイオ州のクリーブランド頁岩などで全身骨格が見つかることがあり、非常に保存状態の良い標本が知られています。
参考文献・出典
- IUCN Red List of Threatened Species https://www.iucnredlist.org/
- FishBase https://www.fishbase.se/
- FAO Fisheries & Aquaculture http://www.fao.org/fishery/