エイラクブカ（Japanese Topeshark）図鑑
西日本で「フカ」として親しまれる、美味しい食用サメ。細長いスマートな体型と、おとなしい性格が特徴の日本近海のサメです。
基本情報
| 和名 | エイラクブカ（永楽鱶） |
|---|---|
| 英名 | Japanese Topeshark |
| 学名 | Hemitriakis japanica |
| 分類 | メジロザメ目 ドチザメ科 エイラクブカ属 |
| 体長 | 平均 0.8〜1.1m（最大1.2m程度） |
| 生息域 | 大陸棚の沿岸〜底層（水深100m以浅） |
| 分布 | 北西太平洋（日本、朝鮮半島、中国、台湾） |
| IUCNレッドリスト | 準絶滅危惧（NT） |
| 危険度 | ★☆☆☆☆（1：人に危害は加えない） |
形態：スマートな体型
エイラクブカは、同じドチザメ科のドチザメやホシザメに似ていますが、より細長くスマートな体型をしています。
- 体色：背側は一様な灰褐色で、目立つ模様はありません。
- 目：細長い猫のような目をしています。瞬膜（しゅんまく）という目を守る膜が発達しています。
- 歯：鋭く尖った小さな歯が並んでおり、小魚やイカを捕らえるのに適しています（ホシザメのような臼歯状ではありません）。
生態
食性
底生性の魚類、甲殻類（エビ・カニ）、頭足類（イカ・タコ）を捕食します。夜行性の傾向があり、夜になると活発に泳ぎ回って獲物を探します。
繁殖
胎生（卵黄依存型）。春から初夏にかけて、一度に8〜20匹程度の仔サメを産みます。
生息環境
沿岸の砂泥底や岩礁域を好み、定置網や底引き網で頻繁に漁獲されます。
人との関わり・危険性
美味しいサメ
エイラクブカは、日本で最も美味とされるサメの一つです。 特に西日本（九州・四国・中国地方）では、スーパーや鮮魚店で「フカ」や「ノウサバ」などの名前で切り身が売られています。 アンモニア臭が少なく、クセのない白身で、湯引き（酢味噌和え）、煮付け、フライ、天ぷらなど、様々な料理で親しまれています。
危険性
おとなしい性格で、人を襲うことはありません。ダイバーが近づいても逃げることが多いです。
トリビア
- 名前の由来：「エイラク（永楽）」の由来は諸説ありますが、かつての通貨「永楽通宝」のように価値がある（美味しい）ことから名付けられたという説があります。
- 英名：「Japanese Topeshark」の通り、日本近海を代表するトープシャーク（ドチザメ科の仲間）です。
まとめ
エイラクブカは、日本の海に暮らすスマートで美味しいサメです。地味な見た目ですが、食文化を支える重要な存在であり、その生態を知ることで、サメをより身近に感じることができるでしょう。
関連
FAQ（よくある質問）
食べられますか？
はい。非常に美味で、西日本では「湯引き」や「煮付け」としてスーパーで売られています。
人を襲いますか？
いいえ。おとなしい性格で、人に危害を加えることはありません。
どこで見られますか？
日本近海の沿岸（水深100m以浅）に生息しており、水族館でも飼育されています。