ポートジャクソンネコザメ(Port Jackson Shark)図鑑
オーストラリアの海に棲むネコザメの仲間。「らせん状の卵」を岩の隙間にねじ込む独特の産卵行動で有名です。
基本情報
| 和名 | ポートジャクソンネコザメ |
|---|---|
| 英名 | Port Jackson Shark |
| 学名 | Heterodontus portusjacksoni |
| 分類 | ネコザメ目 ネコザメ科 ネコザメ属 |
| 体長 | 1.0〜1.6m |
| 生息域 | 沿岸の岩礁・砂地(水深0〜275m) |
| 分布 | オーストラリア南半分の沿岸固有種 |
| IUCNレッドリスト | 低懸念(LC) |
| 危険度 | ★★☆☆☆(2:背びれの毒棘に注意) |
形態
日本のネコザメとよく似ていますが、頭が大きく、目の上の隆起(稜)が目立ちます。
- 模様:体色は淡い灰色〜茶褐色で、背中にはハーネス(馬具)のような独特の黒いライン模様が入っています。
- 毒棘:2つの背びれの前には鋭い棘があり、弱い毒を持っています。これは外敵から身を守るための武器です。
- 歯:前歯は獲物を捕まえるために鋭く、奥歯は硬い殻を砕くために平らな「臼歯」になっています。
生態
食性
夜行性で、夜になると海底を活発に泳ぎ回ります。ウニ、ヒトデ、カニ、貝類などの硬い殻を持つ生物を、臼歯ですり潰して食べます。
繁殖:らせん状の卵
卵生です。最大の特徴は、ドリルのような形をした「らせん状の卵(卵殻)」です。 母親は産んだ卵を口でくわえて運び、岩の隙間にねじ込んで固定します。これにより、波に流されたり外敵に食べられたりするのを防いでいます。
人との関わり・危険性
基本的におとなしく、人を襲うことはありません。ダイバーが近づいても逃げないことが多いです。 ただし、背びれの棘には毒があるため、触ったり踏んだりしないよう注意が必要です。
オーストラリアでは非常にポピュラーなサメで、水族館でもよく飼育されています。日本でも一部の水族館で見ることができます。
トリビア
- 名前の由来:オーストラリアのシドニーにある「ポート・ジャクソン湾」で発見されたことから名付けられました。
- 呼吸:多くのサメと違い、泳がずに海底で休んでいるときもエラを動かして呼吸することができます。
まとめ
ポートジャクソンネコザメは、ユニークな卵と模様を持つオーストラリアのサメです。おとなしく観察しやすいため、ダイバーや水族館の人気者です。
関連
FAQ(よくある質問)
人を襲いますか?
いいえ。おとなしいサメですが、背びれの棘には毒があるため触ると危険です。
日本のネコザメとの違いは?
見た目は似ていますが、体の模様(ハーネスのような黒い線)がより複雑で、生息地がオーストラリアに限定されます。