ヤジブカ（Sandbar Shark）図鑑

はい、同じサメを指します。「メジロザメ」が正式名称ですが、紛らわしいため「ヤジブカ」と呼ばれることが多いです。

基本的には襲いません。ただし大型で力も強いため注意は必要です。

体に対して不釣り合いなほど「巨大な背びれ」がトレードマーク。標準和名は「メジロザメ」ですが、ややこしいため「ヤジブカ」の愛称で親しまれています。

基本情報

ヤジブカを一目で見分けるポイントは、その背びれにあります。

第一背びれ：体の大きさに対して非常に高く、幅の広い巨大な三角形の背びれを持っています。背びれの付け根は胸びれと同じ位置から始まっており、まるで背中に旗を立てているかのような存在感があります。
体型：ずんぐりとしており、体高が高く（背中が盛り上がっている）、がっしりした体つきです。
体色：背側は茶褐色〜灰色で、腹側は白です。英名「Brown Shark」の由来にもなっています。
皮膚：メジロザメ属らしく、鱗（皮歯）は重なり合ってザラザラしています。

英名の「Sandbar Shark（サンドバー・シャーク）」は、沿岸の「砂州（サンドバー）」や砂地の浅瀬を好んで生息することに由来します。海底付近を回遊し、単独または性別・サイズごとに群れを作って行動します。季節によって長距離を回遊することも知られています。

底生魚（カレイ、ヒラメ、コチなど）やエイ、カニ、タコなどを捕食します。鋭い三角形の歯で、硬い獲物も噛み砕いて食べます。

胎生（胎盤形成型）。妊娠期間は約1年で、一度に6〜13匹の仔サメを産みます。成長は非常に遅く、成熟するまでに10年以上かかることもあります。

大型のサメですが、性格は比較的おとなしく、人を積極的に襲うことはほとんどありません。ただし、浅瀬にいるため海水浴客と遭遇する可能性があり、接触には注意が必要です。

ヤジブカは非常に丈夫で飼育しやすいため、世界中の水族館で展示されています。日本の水族館（沖縄美ら海水族館、アクアワールド大洗など）の大水槽で、巨大な背びれを持つ茶色いサメが泳いでいたら、それはヤジブカである可能性が高いです。

その立派な背びれは最高級のフカヒレ（特に「天日干し」に適したサイズ）になるため、世界中で乱獲の対象となりました。成長が遅いため個体数の回復には時間がかかり、現在はIUCNレッドリストで「絶滅危惧（EN）」に指定されています。

名前の混乱：このサメの標準和名（正式名称）は「メジロザメ」です。しかし、「メジロザメ」と言うと「メジロザメ科（Family）」や「メジロザメ属（Genus）」の総称と区別がつかなくなるため、釣り人や研究者の間では通称の「ヤジブカ」が一般的に使われています。
ヤジブカの由来：「矢」のように鋭く大きな背びれを持つフカ（サメ）、あるいは「親父（おやじ）」のように貫禄があるフカ、など諸説あります。

ヤジブカは、見事な背びれを持つ、メジロザメ属を代表するサメです。名前はややこしいですが、「背びれが一番デカい茶色いサメ」と覚えれば、水族館ですぐに見つけられるはずです。

メジロザメとヤジブカは同じですか？

はい、同じサメ（Carcharhinus plumbeus）を指します。「メジロザメ」が正式名称ですが、紛らわしいため「ヤジブカ」と呼ばれることが多いです。

人を襲いますか？

基本的には襲いません。ただし大型で力も強いため、釣り上げた際や餌がある状況では注意が必要です。

どこで見られますか？

日本の沿岸にも生息していますが、野生で見るのは難しいです。多くの大型水族館で飼育されているので、そこで観察するのがおすすめです。