基本情報
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和名:ホホジロザメ
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英名:Great White Shark
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学名:Carcharodon carcharias
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体長:3〜6m(最大記録は6.4m超とされる)
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体重:680〜1100kg(大型個体は2t近くに達したという報告もある)
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生息域:温帯沿岸〜外洋の表層〜中層(水深0〜1200mまで潜ることが確認されている)
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分布:世界の温帯海域(アメリカ西海岸、オーストラリア、南アフリカ、地中海など)
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IUCNレッドリスト:危急(VU)
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危険度:★★★★★(5:人に対して最も危険なサメのひとつ)
形態
ホホジロザメは、最も有名かつ象徴的なサメで、紡錘形のがっしりした体型を持っています。
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背は灰色〜青灰色、腹は白く、**背腹の色分け(カウンターシェーディング)**は獲物から発見されにくくする効果があります。
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歯は大きく鋭い三角形で、鋸歯(セレーション)が発達し、肉を切り裂くのに適しています。
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巨大な顎は一度の噛みつきで数十kgの肉を削ぎ取る力を持ちます。
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尾鰭は三日月型で、高速遊泳に適した形態です。
生態
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食性:若い個体は魚類やイカを主に捕食。成長するとアザラシやアシカ、イルカ、時にはクジラの死骸を食べるなど、海洋哺乳類を狙う捕食者となります。
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行動:通常は単独行動ですが、獲物が多い場所では複数個体が集まることもあります。南アフリカ沖では「空飛ぶサメ」と呼ばれるほど、高速で突進しアザラシを海面から飛び出して捕らえる姿が有名です。
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知能:獲物を狙う際に周囲を旋回したり観察するなど、高い学習能力を示します。
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回遊:広範囲を移動する回遊性を持ち、標識調査では数千kmに及ぶ移動が確認されています。
人との関わり・危険性
ホホジロザメは人間にとって最も危険なサメのひとつであり、サメによる襲撃事故の記録でも最多です。
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人を獲物と誤認して噛みつくケースが多く、特にサーファーやダイバーが襲われる事故が報告されています。
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ただし多くの場合は「誤認による試し噛み」で、捕食を目的とした襲撃ではないと考えられています。
一方で、その存在はエコツーリズムの対象ともなり、南アフリカやオーストラリアではケージダイビングによる観光が人気です。
乱獲や混獲、環境破壊によって個体数は減少しており、IUCNは「危急(VU)」に指定。世界的に保護が求められています。
トリビア
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映画で有名に:スティーヴン・スピルバーグ監督の映画『ジョーズ』(1975年)に登場し、「人喰いザメ」のイメージを決定づけました。
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咬合力:1平方cmあたり1.8トンを超える咬合力を持つとされ、現生サメ類で最強クラス。
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進化的系譜:かつてはメガロドンの近縁と考えられましたが、現在は系統的に異なることが判明しています。
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象徴的存在:世界中のサメ研究・保護活動において、ホホジロザメは「サメ保全のシンボル」として扱われています。
まとめ
ホホジロザメは、巨大な体と強力な顎を持つ頂点捕食者であり、人にとって最も危険なサメのひとつです。その一方で、海洋生態系のバランスを維持する上で不可欠な存在でもあります。映画やメディアを通じて悪名を得ましたが、現実には保護が急務の貴重な種です。
FAQ(よくある質問)
Q1. ホホジロザメは人を食べますか?
A. 人を積極的に狙うわけではありません。多くの事故は獲物と誤認した「試し噛み」によるものです。
Q2. どのくらい大きくなりますか?
A. 平均で3〜5m、大型では6mを超えることもあります。体重は1tを超える個体も記録されています。
Q3. どこで見られますか?
A. 世界の温帯海域。特に南アフリカのフォールス湾、オーストラリア、アメリカ西海岸などが有名な観察地です。
Q4. 何を食べるのですか?
A. 若い個体は魚類やイカ、成体はアザラシ・アシカ・小型イルカなど海洋哺乳類を主に捕食します。
Q5. 絶滅の心配はありますか?
A. はい。IUCNでは「危急(VU)」に指定されており、乱獲や混獲、環境破壊による減少が懸念されています。
参考文献・出典
- IUCN Red List of Threatened Species https://www.iucnredlist.org/
- FishBase https://www.fishbase.se/
- FAO Fisheries & Aquaculture http://www.fao.org/fishery/
ホホジロザメ関連ニュース
以下ホホジロザメに関連するニュースの一覧です。
サメ図鑑管理人が思う「ホホジロザメ」
サメといえばジョーズ=ホホジロザメというイメージです。怖い・人食いサメ、海の中では最強という印象がありました。そういった印象からか、だいたい世にあるイラストってホホジロザメがベースになっている気がします。
一方で、実際はシャチに狙われているなど弱い面もあり、ひっくり返されて肝臓(かんぞう)を食べられてしまうなんていう悲しくきびしい事実もあります。人を襲うという印象も実際のところアザラシやオットセイなどと間違えてサーフボードごとかじったみたいな話が多いようです。
かじられた人間はもちろん、ホホジロザメも食べれないものを食べてしまってがっかりだし、間違って襲った結果人間に狙われる残念な結果になっていたりと、結構苦労しているんだなと思うところもあります。
かっこいい・おそろしいといった印象はホホジロザメの一側面で、生きる上ではホホジロザメでも苦労をしていることが垣間見れていとおしくも思います。海の中では会いたくありませんが。。