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このニュースの要約
メキシコ北東部バジェシージョで発見された化石から、白亜紀約9300万年前に生息していた新種のサメ「アクイロラマナ・ミラルカ」が確認された。このサメは全長1.66メートルでありながら、1.9メートルもの巨大な胸びれを持ち、サメとエイの特徴をあわせ持つキメラのような姿をしていた。短い頭部に大きな口、非対称の尾びれを備え、ジンベイザメやマンタのようにプランクトンを濾過して食べていたと推定される。胸びれは推進力ではなく安定に用いられ、比較的ゆっくり泳いでいたらしい。この発見は白亜紀の海洋生態系の理解に貢献し、当時すでにプランクトン食の大型海洋生物が「紡錘形体型」と「翼の胸びれ体型」という二つの系統に分かれていたことを示す重要な証拠とされている。マンタやイトマキエイが登場するより3000万年以上前から、類似の進化が独立して起きていた可能性が浮かび上がった。
管理者の感想(サメ好き目線)
「アクイロラマナ・ミラルカ」、名前からしてロマン全開。サメとエイのあいの子みたいな姿なんて、海洋生物オタクにとってはご褒美そのもの。1.9メートルもの胸びれをひらひらさせながら白亜紀の海を漂っていた姿を想像するだけで鳥肌が立つ。しかも、マンタが現れるよりずっと前に“同じような生態ニッチ”を埋めていたという事実がたまらない。進化って直線じゃなくて、何度も同じアイデアを試すんだなと実感する。現代の海で会えないのが残念でならないけど、こういう発見があるからサメの世界は永遠に飽きない。