出典: こちら
要約
夏の終わりが近づく中、アメリカ北東部沿岸でホホジロザメの目撃が増えているとの報道。メイン州オグンキット(Maine, Ogunquit)では、6~8フィート(約1.8~2.4m)の個体がビーチの川口近くで目撃されたという。これを受けて地元消防当局は注意喚起を出している。ドローン映像でも、スカーボロ(Scarborough, Maine)付近でサメが泳ぐ様子が捉えられている。2020年以降、メイン州沖では93頭のホホジロザメが確認されており、最近ではナンタケット(マサチューセッツ州)沿岸でも約14フィート級(約4.3m)とされる巨大個体が目撃されている。研究者たちは、保護対策の成果でサメの個体数が回復してきたことや、気候変動による生息域変動が目撃増加の背景にあると分析している。
感想
こうした目撃の増加は驚きと同時に、海の生態系が少しずつ変化していることを強く感じさせます。サメが昔よりも沿岸近くに現れる頻度が高くなっているのは、ただの偶然ではないのでしょう。個体数の回復や水温変化、アザラシなど餌資源の分布の変化といった複数要因が絡んでいると思われます。人間にとっては警戒を要する出来事ですが、サメ好きとしては、こういう“海の境界線”が揺らぐ瞬間を見ることにロマンを感じます。ただし、目撃=危険というわけではありません。サメを恐れるよりも、リスクを理解しながら尊重を持って共存を模索すべきだと思います。
補足情報・注意点
- ホホジロザメは法的保護を受けている地域も多く、個体数が回復傾向にあるとの研究が複数あります。
- 目撃記録の増加には、ドローンの普及や人々のスマホ撮影で「見える範囲」が広がったことも影響している可能性があります。
- 目撃だけで「種類」や「性・年齢・大きさ」を断定することは困難で、誤認や過大評価のリスクがあります。
北東部でのホホジロザメ目撃傾向(2020〜2025年)
● 分布域の拡大
OCEARCHのタグデータとAP通信の追跡報告によれば、近年ホホジロザメの行動域はマサチューセッツ〜メイン州沖まで北上しており、特に夏季から初秋にかけての水温(18〜22℃)帯で多く記録されています。
参考:AP News – Great white sharks head north, following seals and alarming beachgoers
● 代表的な目撃地点
- ナンタケット沖:14フィート(約4.3 m)級の成体メス「コンテンダー」確認(2025年夏)
- メイン州オグンキット/スカーボロ:2〜3 mの若魚が沿岸でドローン撮影
- ブロック島(ロードアイランド沖):成体ホホジロザメが浅瀬を遊泳する映像(2024 年)
参考:CT Insider – Rare great white shark filmed off Block Island
● 推定されるサイズと性成熟段階
- 2〜3 m級:若魚。主に魚類を捕食し、浅瀬に出やすい。
- 3.5〜4.5 m級:性成熟期に達した個体。アザラシを主食とする行動が増える。
- 5 m以上:大型成体。雌が多く、回遊範囲が広い。
今回のメイン州・ナンタケット沿岸での目撃個体は**3.5〜4.5 m級(成熟期)**の可能性が高く、餌資源(アザラシ群)の回復が誘因と考えられます。
行動生態の考察
ホホジロザメはアザラシの群れを追って季節回遊する捕食者であり、沿岸での目撃増加は個体数回復のポジティブサインとも言えます。一方で、観光客やサーファーが多い海域と重なるため、安全情報の共有が不可欠です。
情報の真偽に関する注意文
※本稿の内容は報道・目撃情報・追跡データをもとにした推定的考察であり、
個体識別や正確なサイズ計測は現地研究機関による公式発表を待つ必要があります。
記述の一部には誤差や誤認の可能性が含まれるため、
科学的確証を伴うものではない参考情報としてご覧ください。