鳥取県でサメ被害447件!漁網を破るサメと漁業者の対策とは?

鳥取県でサメ被害447件!漁網を破るサメと漁業者の対策とは?

2026年、鳥取県沿岸でサメによる漁業被害が急増しています。 県が確認している被害は447件、 被害額は約1,720万円。 漁網を破られたり、網に掛かったハマチやブリを食べられたりする被害が相次いでいます。

鳥取県は対策として予備費200万円を確保し、 被害を受けた漁業者が対象となるサメを捕獲した場合、 漁具修理費として1匹当たり3万円を支援する制度を始めました。

しかし、これは 「サメを捕まえれば誰でも3万円もらえる」 という制度ではありません。 なぜ鳥取県でサメ被害が増えているのか。 どんなサメが関係しているのか。 漁業者とサメが同じ海で暮らすために何ができるのかを整理します。

👨‍💻 管理者

サメのニュースというと「人が襲われた」という話を想像しがちですが、 今回困っているのは海水浴客ではなく漁業者です。

網を壊されるだけでも数万円では済まない場合があり、 さらに網に掛かった商品になる魚まで食べられてしまう。 サメ側からすれば目の前に魚があるだけですが、 漁師側からすれば普通に経営被害です。

「サメを守るか、漁師を守るか」という単純な話ではなく、 どう被害を減らしながら共存するかを見る必要があります。

鳥取県でサメ被害447件、被害額は約1720万円

鳥取県では2026年の春から夏にかけて、 サメによる漁業被害が頻発しました。

県が公表した被害件数は447件。 10月9日のテレビ朝日報道では、 被害額は約1,720万円に上り、 前年の3倍以上になったとされています。

被害件数 447件
被害額 約1,720万円
主な被害 刺し網など漁網の破損、漁獲物の食害
主な漁獲物 ハマチ・ブリなど
県の対策予算 予備費200万円
捕獲支援 対象となる漁業者に漁網修理費として1匹当たり3万円
10月9日時点の捕獲 33匹

被害は特に鳥取県中西部で目立っており、 ハマチなどを狙う刺し網漁で、 サメが網を食い破ったり、 網に掛かった魚を食べたりする事例が報告されています。

漁網が破れると「魚を1匹取られる」では済まない

サメによる漁業被害で厄介なのは、 サメに魚を食べられることだけではありません。

大型のサメが刺し網に掛かったり、 網に掛かった魚を狙ったりすると、 網そのものが破損することがあります。

赤碕町漁業協同組合の関係者は、 網の破損が激しい場合には丸ごと交換する必要があり、 漁網には数十万円から数百万円かかる場合もあると説明しています。

さらに船の燃料費なども上昇しているため、 漁具の破損は沿岸漁業者の経営に直接響きます。

サメ側から見ると「網の魚」は簡単な餌

網に掛かった魚は自由に逃げられません。 サメにとっては、通常の魚を追いかけるより 捕食しやすい状態になっています。

このように漁具に掛かった魚をサメや海獣が食べる現象は、 漁業では「食害」として大きな問題になります。

鳥取県で被害を起こしているサメは何ザメ?

鳥取県の2026年8月26日の知事会見では、 沿岸に来遊しているサメとして 「シュモクザメ類」と「メジロザメ類」 が挙げられています。

ただし、県は被害を起こしているサメを 「アカシュモクザメ」「ドタブカ」など 種レベルまで特定して公表しているわけではありません。

そのため、 報道映像や生息域だけから特定の種を 「犯人」と決めるのは避ける必要があります。

シュモクザメ類そのものについては、 サメ図鑑の シュモクザメ(ハンマーヘッド)図鑑 で代表的な種類や生態を紹介しています。

またメジロザメ類には非常に多くの種類がいます。 サメ図鑑では、その代表例として メジロザメ(Sandbar Shark) などを掲載しています。

注意

上記の図鑑ページは「同じグループを知るため」のリンクです。 鳥取県で2026年に被害を起こした個体が、 これらの図鑑ページの種だと確認されたわけではありません。

「サメ1匹で3万円」は誰でももらえる制度ではない

今回のニュースでは、 「サメ1匹を捕獲すると3万円」 という部分が非常に目立ちます。

しかし、これは一般の釣り人向けの 「サメ捕獲賞金」ではありません。

鳥取県が実施しているのは、 サメによる漁業被害を受けた漁業者に対する、 漁網修理費の支援 です。

県は2026年8月下旬、 今年度予算の予備費から 200万円をサメ被害対策に充てました。

報道では、 被害を受けた漁業者が 比較的小型のシュモクザメ類を捕獲した場合、 1匹当たり3万円が漁網修理費として支給されるとされています。

10月9日のテレビ朝日報道では、 制度開始後に33匹が捕獲されたとされています。

「サメを釣れば3万円」ではありません

支援対象となる漁業者や、 対象となる捕獲・申請方法などは 鳥取県の制度に従う必要があります。

一般の釣り人がサメを釣って持ち込めば 3万円を受け取れる制度ではありません。

シュモクザメとメジロザメ類では対策も違う

鳥取県は、すべてのサメに対して 同じ捕獲方法を取ろうとしているわけではありません。

2026年8月26日の知事会見では、 当時まだ沿岸を回遊していたシュモクザメ類については、 網などで偶発的に捕獲された場合の支援策を実施すると説明しています。

一方、 メジロザメ類については、 他県などで行われている捕獲方法を参考にしながら、 2027年夏に向けて漁具や捕獲方法を研究する 方針が示されました。

つまり今回の対策は、 単純な「サメ駆除」ではなく、 被害補償、捕獲技術、漁具改良などを組み合わせた 漁業被害対策として進められています。

なぜ2026年にサメが増えた?

鳥取県では、 サメの来遊が増えた理由として、 餌となるハマチやブリなどが増えたことや、 海水温の上昇などの可能性を挙げています。

ただし、 現時点で「海水温上昇が原因でサメが増えた」 と科学的に確定したわけではありません。

海の生物の分布は、 水温だけでなく、 餌となる魚の分布、 海流、 繁殖・回遊時期、 漁業活動など複数の要因で変化します。

今回の場合、 ハマチやブリが沿岸に多く存在すれば、 それを捕食するサメが同じ場所に集まる可能性はあります。

今後は、 どの種類のサメが、 いつ、 どの海域に、 どれくらい来遊しているのかを調べることが 被害対策にも重要になります。

捕獲したサメを「捨てずに使う」方法も検討

鳥取県は、 捕獲するだけでなく、 捕獲したサメの有効利用 についても検討しています。

鳥取県日南町や、 県境を越えた広島県三次市などでは、 サメを「ワニ」と呼んで食べる文化があります。

サメの種類や鮮度、安全性などの条件は確認する必要がありますが、 捕獲個体を単に廃棄するのではなく、 食用や別用途に利用できないかという考えです。

サメを減らすことだけを目的にするのではなく、 漁業被害対策と地域の食文化を結びつけることができるかも 今後の検討課題となっています。

グリーンランドのニシオンデンザメ問題との違い

サメ図鑑では2026年、 グリーンランドで持ち上がった 「ニシオンデンザメ最大1,000匹の駆除案」 についても紹介しています。

どちらも 「サメと漁業の衝突」 という点では似ています。

しかし、対策の内容はかなり違います。

比較 鳥取県 グリーンランド
問題 漁網破損・漁獲物の食害 漁具・漁獲物への被害
対象 シュモクザメ類・メジロザメ類 ニシオンデンザメ
対策 漁網修理支援、捕獲技術・漁具開発 最大1,000匹の駆除奨励案
結果 2026年に支援を実施 法的根拠がなく駆除制度は中止

鳥取県の事例でもグリーンランドの事例でも、 「サメが悪いから殺せばいい」 「絶滅危惧種だから何もしてはいけない」 という二択だけでは、 漁業被害の問題は解決できません。

サメと漁業はどう共存する?

漁業とサメの衝突を減らす方法としては、 サメそのものを捕獲する以外にも さまざまな方法が考えられます。

  • 被害が多いサメの種類を正確に調べる
  • 来遊する季節・海域を記録する
  • サメが掛かりにくい漁具を開発する
  • 破損しにくい漁網を研究する
  • 漁獲物をサメに狙われにくくする漁法を検討する
  • 捕獲個体を食用などに有効活用できるか調べる
  • 漁業者の被害を補償・支援する

特に重要なのは、 どのサメが、どの程度の被害を起こしているのかを把握すること です。

「サメ」という大きなくくりだけでは、 種ごとの生態や個体数、 保全状況を考えた対策はできません。

人を襲うサメ問題ではなく「海をどう共有するか」の問題

今回の鳥取県のニュースは、 サメによる人身事故のニュースではありません。

サメが魚を追い、 漁師も同じ魚を獲る。

その結果、 人間の漁具と野生の捕食者が 同じ場所で衝突しています。

サメにとって漁網の中の魚は餌ですが、 漁師にとっては商品であり、 漁網は仕事を続けるための高価な道具です。

だから必要なのは、 「サメを守る」だけでも 「サメを減らす」だけでもなく、 漁業者の生活を守りながら、 必要以上にサメを死亡させない方法を探すこと です。

鳥取県で起きている問題は、 日本でもサメと人との関係を考える必要があることを示す 興味深い事例といえるでしょう。

まとめ

2026年、鳥取県では サメによる漁業被害が447件確認され、 被害額は約1,720万円に達しました。

被害の中心は、 ハマチやブリなどを狙う刺し網の破損と、 網に掛かった魚の食害です。

鳥取県は予備費200万円を使い、 被害を受けた漁業者に対する漁網修理支援を開始。 対象となるシュモクザメ類の捕獲に対して 1匹当たり3万円を支援し、 10月9日時点では33匹が捕獲されたと報じられています。

一方で、 被害を起こしているのは シュモクザメ類・メジロザメ類までしか特定されておらず、 来遊が増えた原因も確定していません。

サメを捕獲するだけでなく、 種類や来遊状況を調べ、 漁具の改良や捕獲個体の有効利用などを組み合わせていくことが、 長期的な対策には必要です。

FAQ(よくある質問)

Q1. 鳥取県ではサメ被害が何件起きていますか?

2026年に鳥取県が確認している被害は447件です。 10月の報道では被害額は約1,720万円で、 前年の3倍以上とされています。

Q2. どんなサメが被害を起こしているのですか?

鳥取県はシュモクザメ類とメジロザメ類を挙げています。 ただし、個々の被害について種レベルまで特定されているわけではありません。

Q3. サメを捕まえると誰でも3万円もらえるのですか?

いいえ。 一般向けの賞金制度ではなく、 サメ被害を受けた漁業者に対する漁網修理費の支援です。 対象や申請条件は鳥取県の制度に従います。

Q4. なぜ鳥取県でサメが増えたのですか?

県は餌となるハマチやブリの増加や海水温上昇などの可能性を挙げています。 ただし原因が科学的に確定したわけではありません。

Q5. 鳥取県では何匹のサメが捕獲されましたか?

2026年10月9日のテレビ朝日報道では、 支援制度開始後に33匹が捕獲されたとされています。

参考文献・出典

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