出典: Two ERC Grants for Goethe University: Why sharks become extinct and how to study the dynamics of biomolecules – Goethe-Universität Frankfurt こちら
要約
フランクフルト大学のジェレミー・マコーマック博士が、ヨーロッパ研究評議会(ERC)から約150万ユーロの研究助成を獲得し、古代サメ絶滅の原因を探るプロジェクトを開始した。彼は化石化したサメの歯に含まれる亜鉛・カルシウム・窒素などの同位体比を分析し、当時の捕食階層や食性を復元することで、特定の生態的特徴が絶滅リスクを高めたかどうかを調べる。これは現在のサメの約4分の1が絶滅危惧種とされる状況において、保全戦略にもつながると期待される。同時に、別の研究者アンドレイ・クズヘレフ博士には超高分解能NMR分光法の開発資金が与えられ、ナノリットル規模で複雑な生体分子の動態解析を可能にすることを目指している。両者の研究は基礎科学の最前線を押し広げるものと評価されている。
管理者の感想
サメの化石の歯に残る同位体から、古代の食性や絶滅の背景を読み解くという発想は、とてもロマンに満ちています。数億年前の捕食者の生活が現代の科学技術によって蘇ることは、サメ好きとして胸が高鳴ります。また、こうした研究が単なる過去の謎解きにとどまらず、現代のサメ保全にも役立つ点が大変意義深いと感じます。サメという生物が、太古から今まで地球と共に生きてきた歴史を知ることは、未来の海洋環境を守るためにも大切だと改めて思いました。