
はじめに
「サメはどこにいるの?」という
世界の海とサメの分布 の全体像
地球の海は大きく、
水深とすみか:沿岸 ・外洋 ・深海
沿岸(浅い海)
浜辺や
外洋(沖の広い海)
岸から遠く、
深海(暗くて深い海)
光が弱く水温が低い世界。エサは少ないけれど、
水温でみる好み:暖かい海と冷たい海
多くのサメは20~25℃くらいの水を好みますが、
塩分のちがい:海水・汽水 ・淡水
基本は海水ですが、川の水がまじる
地形とえさ:サンゴ礁 ・海草藻場 ・大陸棚
- サンゴ
礁 :小魚が多く、かくれる場所も多いので、沿岸 性のサメがよく見られます。 海草藻場 :エビやカニ、小魚が多い育 ちば。幼魚の隠 れ場所としても大切です。大陸棚 :海底がゆるやかに深くなる広い台地。栄養 がたまりやすく、エサも豊富です。
一日の行動と潮 の動き
朝と夕方は小魚が動きやすく、サメの
季節と地域のちがい
同じ
人のすぐ近くに来ることはある?
ありますが、目的はさまざまです。エサを追って偶然近づいた、にごりで見まちがえた、
観察の心得 (ビーチでできること)
- 水の
透明度 と波の強さを観察 する。 - 海鳥が低く
旋回 していないか、小魚の群れがざわついていないかを見る。 - 釣りや魚をさばく場所からは距離をとる。
- 川の水が入る
河口 近くではにごりに注意。
もしも
なぜ場所ごとにサメがちがうの?
えさの種類、水温、流れ、すみかの形などが組み合わさって、その場所の「
まとめ:広い海、それぞれのすみか
- サメは
熱帯 から寒帯 まで広く分布。ただし種 ごとに好みの環境 がある。 沿岸 ・外洋・深海でくらし方がちがう。エサと水温、地形が大きく関係。季節回遊 で見られる種 がかわる地域も多い。- 人の近くに来ることはあるが、多くは見まちがいや
偶然 。落ち着いて行動する。
外洋にすむサメ
広い外洋を回遊するサメも多くいます。アオザメやヨシキリザメは、速い泳ぎで大西洋から太平洋まで広く行き来します。ジンベイザメのような大型のサメも外洋を回遊し、プランクトンを求めて長距離を移動します。
深海にすむサメ
深海には奇妙な姿のサメたちが暮らしています。ラブカは「生きている化石」と呼ばれる原始的な特徴を持つサメで、水深1000メートル近い場所にすみます。ミツクリザメは飛び出す顎で有名で、暗い深海で獲物を捕らえます。深海にすむサメはまだ研究が少なく、未知の部分が多いのが魅力です。
淡水にすむサメ
基本的にサメは海水にすむ生物ですが、例外もあります。オオメジロザメは淡水に適応できる珍しい種類で、アマゾン川やガンジス川でも発見されています。これは体内の塩分を調整する特殊な仕組みを持っているためです。
サメの分布と環境
サメはそれぞれの環境に合わせて体や行動を進化させてきました。暖かい海では色鮮やかなサンゴ礁に、冷たい海では分厚い脂肪を持つニシオンデンザメが長寿で知られます。環境が違えばエサや繁殖の方法も変わり、多様な生き方が見られるのです。
生息域でみるサメのすみか一覧
サメが「どこにいるのか」を、生息する環境の特徴と代表的な種類でまとめました。
| 生息域 | 環境の特徴 | 代表的なサメ | 人間との関わり・補足 |
|---|---|---|---|
| 沿岸(浅い海) | サンゴ礁、岩場、湾内、海草藻場など。 小魚などのエサが豊富で、幼魚の「育ちば」になることも。 |
メジロザメのなかま イタチザメ |
海水浴やサーフィン、釣りなどで人間との遭遇が最も多い場所。注意が必要な「危険なサメ」とされる種も含まれる。 |
| 外洋(沖の広い海) | 岸から遠く離れた、水深の深いエリア。 プランクトンや魚の群れを追い、広範囲を回遊する種が多い。 |
アオザメ ヨシキリザメ ジンベイザメ |
一般的な海水浴などで遭遇することは稀。船上(漁業やホエールウォッチングなど)から目撃されることがある。 |
| 深海(暗く冷たい海) | 光がほとんど届かない、水温が低い環境。 エサが少なく、独自の進化を遂げた種が多い。 |
ラブカ ミツクリザメ |
人間が直接遭遇することはまずない。深海漁や調査船によって捕獲され、その姿が知られることが多い。 |
| 汽水域・淡水 | 川と海が混ざる河口や、川の上流。 塩分濃度の変化に適応できる、ごく一部の種に限られる。 |
オオメジロザメ | 淡水まで入り込む珍しい例。河口付近での水遊びや釣りでは遭遇の可能性がゼロではないため、注意喚起されることがある。 |
| 寒帯(冷たい海) | 北極や南極に近い、水温が非常に低い海域。 低い水温と遅い代謝に適応している。 |
ニシオンデンザメ | 極地探検や専門の漁以外で遭遇することは稀。非常に長寿(数百年)であることが知られている。 |
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まとめ
サメは海のどこにでもすむといってよいほど多様に分布しています。沿岸、外洋、深海、そして淡水域まで。サメのすみかを知ることは、サメの多様な進化や環境への適応を理解する手がかりになります。次に海に出かけるとき、「この海にはどんなサメがいるのだろう」と考えてみるのも面白いでしょう。
参考文献・出典
- FishBase https://www.fishbase.se/
- FAO Fisheries & Aquaculture http://www.fao.org/fishery/
- Smithsonian Ocean Portal https://ocean.si.edu/
- Shark Trust https://www.sharktrust.org/
- 『Sharks of the World』(Princeton University Press)