
「フカヒレ」は、サメの背びれなどを使った食べものです。おいわいやごちそうに出ることもあります。
でも、サメをとりすぎると、海のバランスがくずれるという心配もあります。ここでは、なにが問題なのかをやさしく整理して、わたしたちにできることをいっしょに考えます。
1.サメは「恐竜より古い」大先輩
まず知ってほしいのは、サメがどれだけ昔から海にいるか、ということ。なんとサメは約4億年前から地球の海でくらしてきました。これは恐竜(約2億4千万年前に登場)よりもずっと古いのです。
🦈 サメってどれくらい昔から?
- サメの仲間は約4億年前から海にいる、海の大先輩。
- 恐竜が登場したのは約2億4千万年前。サメのほうがずっと先ぱい。
- サメは、恐竜がほろんだ大事件をふくめ、少なくとも4回の大量絶滅を乗りこえてきた。
- いまも世界の海におよそ500種類以上のサメがくらしている。
2.なにが問題なの?
サメは、海の「食べる・食べられる」の順番(食物連鎖)のいちばん上のほうにいる、大切な生きものです。
でも、とりすぎが続くと数がへって、ほかの生きものや海ぜんたいにも影響が出てしまいます。
🦈 数字で見てみよう
- 1年間に、漁でいのちを落とすサメは世界でおよそ8000万匹といわれます(2024年・科学誌サイエンスの研究)。
- 1時間あたりで考えると、1万匹以上のサメが人間によって命をうばわれている計算です。
- いっぽう、サメによって人がいのちを落とす事故は、2024年で世界でたった4人ほど。
- つまりサメは、こわがるより、まもることのほうが大事な生きものなのです。
| くらべてみると… | 1年間のおおよその数 |
|---|---|
| 人間がとる「サメ」 | およそ 8000万匹(多い年で1億匹という推定も) |
| サメにおそわれて亡くなる「人」 | 世界で 数人(2024年は4人) |
※研究によって数字には幅があります。ここでは「だいたいの規模」をつかむための数として紹介しています。
3.サメは、いま「絶滅の心配」がある
長い歴史を生きぬいてきたサメですが、いまは大きなピンチをむかえています。
国際的な調査(IUCNレッドリスト)では、世界のサメとエイの仲間のうち、約3分の1(およそ37%)が絶滅の心配があるとされています。
さらに、外洋にすむサメとエイの数は、この50年でなんと70%以上もへってしまったと報告されています。
原因のひとつが、マグロなどをとる網にサメがまちがってかかってしまう「混獲(こんかく)」です。ねらっていなくても、たくさんのサメがとられてしまうのです。
4.「フィニング」ってなに?
昔から問題になってきたのが、ひれだけを切りとって、体は海にもどしてしまう「フィニング」というとり方です。これはサメにとってとてもつらく、いのちもむだになってしまいます。
いまでは、海に面した国や地域の約7割でフィニングは禁止されています。
でも、ひれだけでなく体ぜんぶをとる漁もふえていて、サメ全体がへるスピードはあまり変わっていない——という心配が、研究で報告されています。
5.食文化もたいせつに
食べものには、その地域の文化や歴史があります。だからこそ、むやみに人を非難しないことも大切です。
たとえば日本では、ひれだけでなくサメの体全体を使うとされてきました。「どんなとり方か」「どこから来たか」を知って、海をこわさない選び方を少しずつ広げていくことが、いちばんの近道です。
6.わたしたちにできること
- 知る:サメが海でどんな役目をしているか学ぶ。
- くらべて選ぶ:産地やとり方の表示を見て、資源を大切にする考えを応援する。
- つたえる:自由研究や掲示で、学んだことを友だちや家族にシェアする。
- むだにしない:食べものを大切にする気もちは、海にもやさしい。
- 正しく知る:「サメ=こわい」だけでなく、本当のすがたを知ることが第一歩。
7.よくある疑問(Q&A)
- Q. フカヒレ料理は全部ダメなの?
- A. 一人ひとり考え方があります。大切なのは「どう取られたか・どこから来たか」に目を向け、海を大切にする選び方を考えることです。
- Q. どうして「ひれだけ」とることがあるの?
- A. ひれは高く売れるからです。でも体を海に捨てる「フィニング」はとてもつらいとり方なので、いまは世界の多くの国で禁止されています。
- Q. 日本のサメ漁もフィニングなの?
- A. 日本では、ひれだけでなく体全体を使うとされてきました。ただし「とりすぎ」そのものに気をつけることは、世界じゅうで大切なことです。
- Q. サメがいなくなると、海はどうなるの?
- A. サメは食物連鎖の上のほうにいるので、へるとほかの魚のバランスがくずれ、海ぜんたいの健康に影響することがあります。
- Q. サメって、そんなに人をおそうの?
- A. じつはとても少なく、世界でも1年に数人ほどです。それよりも、人間がサメをとる数のほうが、けたちがいに多いのが本当のすがたです。
- Q. 子どもにできることは?
- A. 調べて知ること、家族と話すこと、学校で発表すること。小さな行動でも、ちゃんと力になります。
8.まとめ
サメは4億年も海を生きぬいてきた、地球の大先輩。でもいまは、人間のとりすぎでピンチをむかえています。
知って、くらべて、選ぶことが、未来の海をまもる力になります。こわがるよりも、まず知ることから。くらしの中の小さな一歩から、はじめてみましょう。
9.関連ページ
参考文献・出典
- International Shark Attack File (ISAF), Florida Museum https://www.floridamuseum.ufl.edu/shark-attacks/
- IUCN Red List of Threatened Species https://www.iucnredlist.org/
- FishBase https://www.fishbase.se/
- NHKニュース(国内サメ事故報道) https://www3.nhk.or.jp/news/