フカヒレとサメの未来:私たちにできること

「フカヒレ」は、サメの背びれなどを使った食べものです。おいわいやごちそうに出ることもあります。
でも、サメをとりすぎると、海のバランスがくずれるという心配もあります。ここでは、なにが問題なのかをやさしく整理して、わたしたちにできることをいっしょに考えます。

🧒 こども ねえ、サメってこわい生きものでしょ?へらしても、いいんじゃないの?
👨‍🔬 サメくわしいパパ それがね、ぎゃくなんだ。サメが人をおそう事故より、人間がサメをとる数のほうが、ずっとずっと多いんだよ。きょうは、その話をいっしょに考えてみよう。

1.サメは「恐竜より古い」大先輩

まず知ってほしいのは、サメがどれだけ昔から海にいるか、ということ。なんとサメは約4億年前から地球の海でくらしてきました。これは恐竜(約2億4千万年前に登場)よりもずっと古いのです。

🦈 サメってどれくらい昔から?

  • サメの仲間は約4億年前から海にいる、海の大先輩。
  • 恐竜が登場したのは約2億4千万年前。サメのほうがずっと先ぱい。
  • サメは、恐竜がほろんだ大事件をふくめ、少なくとも4回の大量絶滅を乗りこえてきた
  • いまも世界の海におよそ500種類以上のサメがくらしている。
🧒 こども 4億年!?恐竜よりも前からいたの?すごすぎる…!
👨‍🔬 サメくわしいパパ そうなんだ。何度も大事件を乗りこえてきた、地球のチャンピオンみたいな生きもの。その大先輩が、いま人間のせいでへってきているんだよ。

2.なにが問題なの?

サメは、海の「食べる・食べられる」の順番(食物連鎖)のいちばん上のほうにいる、大切な生きものです。
でも、とりすぎが続くと数がへって、ほかの生きものや海ぜんたいにも影響が出てしまいます。

🦈 数字で見てみよう

  • 1年間に、漁でいのちを落とすサメは世界でおよそ8000万匹といわれます(2024年・科学誌サイエンスの研究)。
  • 1時間あたりで考えると、1万匹以上のサメが人間によって命をうばわれている計算です。
  • いっぽう、サメによって人がいのちを落とす事故は、2024年で世界でたった4人ほど
  • つまりサメは、こわがるより、まもることのほうが大事な生きものなのです。
くらべてみると…1年間のおおよその数
人間がとる「サメ」およそ 8000万匹(多い年で1億匹という推定も)
サメにおそわれて亡くなる「人」世界で 数人(2024年は4人)

※研究によって数字には幅があります。ここでは「だいたいの規模」をつかむための数として紹介しています。

3.サメは、いま「絶滅の心配」がある

長い歴史を生きぬいてきたサメですが、いまは大きなピンチをむかえています。

国際的な調査(IUCNレッドリスト)では、世界のサメとエイの仲間のうち、約3分の1(およそ37%)が絶滅の心配があるとされています。
さらに、外洋にすむサメとエイの数は、この50年でなんと70%以上もへってしまったと報告されています。

原因のひとつが、マグロなどをとる網にサメがまちがってかかってしまう「混獲(こんかく)」です。ねらっていなくても、たくさんのサメがとられてしまうのです。

4.「フィニング」ってなに?

昔から問題になってきたのが、ひれだけを切りとって、体は海にもどしてしまう「フィニング」というとり方です。これはサメにとってとてもつらく、いのちもむだになってしまいます。

いまでは、海に面した国や地域の約7割でフィニングは禁止されています。
でも、ひれだけでなく体ぜんぶをとる漁もふえていて、サメ全体がへるスピードはあまり変わっていない——という心配が、研究で報告されています。

🧒 こども ひれだけとるなんて、かわいそう…。でも、禁止されたなら、もうだいじょうぶなんじゃないの?
👨‍🔬 サメくわしいパパ いいところに気づいたね。フィニングはへったけれど、「とる数」そのものはへっていない。だから「ひれだけかどうか」だけでなく、「とりすぎていないか」も大事なんだ。

5.食文化もたいせつに

食べものには、その地域の文化や歴史があります。だからこそ、むやみに人を非難しないことも大切です。
たとえば日本では、ひれだけでなくサメの体全体を使うとされてきました。「どんなとり方か」「どこから来たか」を知って、海をこわさない選び方を少しずつ広げていくことが、いちばんの近道です。

6.わたしたちにできること

  • 知る:サメが海でどんな役目をしているか学ぶ。
  • くらべて選ぶ:産地やとり方の表示を見て、資源を大切にする考えを応援する。
  • つたえる:自由研究や掲示で、学んだことを友だちや家族にシェアする。
  • むだにしない:食べものを大切にする気もちは、海にもやさしい。
  • 正しく知る:「サメ=こわい」だけでなく、本当のすがたを知ることが第一歩。

7.よくある疑問(Q&A)

Q. フカヒレ料理は全部ダメなの?
A. 一人ひとり考え方があります。大切なのは「どう取られたか・どこから来たか」に目を向け、海を大切にする選び方を考えることです。
Q. どうして「ひれだけ」とることがあるの?
A. ひれは高く売れるからです。でも体を海に捨てる「フィニング」はとてもつらいとり方なので、いまは世界の多くの国で禁止されています。
Q. 日本のサメ漁もフィニングなの?
A. 日本では、ひれだけでなく体全体を使うとされてきました。ただし「とりすぎ」そのものに気をつけることは、世界じゅうで大切なことです。
Q. サメがいなくなると、海はどうなるの?
A. サメは食物連鎖の上のほうにいるので、へるとほかの魚のバランスがくずれ、海ぜんたいの健康に影響することがあります。
Q. サメって、そんなに人をおそうの?
A. じつはとても少なく、世界でも1年に数人ほどです。それよりも、人間がサメをとる数のほうが、けたちがいに多いのが本当のすがたです。
Q. 子どもにできることは?
A. 調べて知ること、家族と話すこと、学校で発表すること。小さな行動でも、ちゃんと力になります。

8.まとめ

サメは4億年も海を生きぬいてきた、地球の大先輩。でもいまは、人間のとりすぎでピンチをむかえています。
知って、くらべて、選ぶことが、未来の海をまもる力になります。こわがるよりも、まず知ることから。くらしの中の小さな一歩から、はじめてみましょう。

🦈 サメ図鑑より サメは恐竜よりも古くから海にいる、地球の生き字引のような存在です。こわいイメージだけで終わらせず、「どうしたらいっしょに海でくらしていけるか」を、ぜひ家族で話してみてくださいね。

参考文献・出典

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