サメは約4億年も前から海に生きている古いグループです。長い時間の中で、 体のつくりや感覚を発達させ、さまざまな海の環境に適応してきました。 ここでは、サメの進化の流れと、巨大サメ「メガロドン」の時代、そして現代のサメへのつながりをやさしく紹介します。
年表でみるサメの歴史
大まかな流れを、学校の年表のようにたどってみましょう。
- 古生代(デボン紀〜ペルム紀):初期のサメがあらわれ、軟骨の体や 取り替えできる歯など、サメらしい基本セットができました。
- 中生代(三畳紀・ジュラ紀・白亜紀): 海の生きものが大きく入れ替わる中で、サメは感覚や歯の形を多様化。 シュモクザメに通じる頭の形のグループなど、いろいろなタイプが増えました。
- 新生代(始新世〜鮮新世): 海のほ乳類(アシカやクジラ)が多くなり、サメもそれに合わせて捕食の戦略を変化。 この時代に、巨大サメ「メガロドン」が活やくしました。
サメの体はどう進化してきた?
- 骨より軽い軟骨の体:体を軽くして泳ぎやすくし、深く長く泳げるようになりました。
- 取り替えできる歯:列になった歯がベルトコンベアのように前へ出てきて、欠けても補充できます。
- 皮歯(ザラザラの鱗):水の抵抗をへらし、しずかにすばやく泳げます。
- 高い感覚能力:側線で水のゆれを感じ、嗅覚でにおいをたどり、 ロレンチーニ器官で生物のわずかな電気まで感じ取ります。
巨大サメ「メガロドン」の時代
メガロドンは新生代の中ごろ(おもに中新世〜 鮮新世)に生きていた巨大サメです。化石の 歯はとても大きく、長い辺で10〜15センチをこえるものもあります。
- くらしと食べもの:大きな体に見合う高いエネルギーが必要で、クジラや大きな魚を捕食していたと考えられます。
- なぜいなくなった?(仮説): 海の冷却、獲物の減少、 ほ乳類ハンターとの競合など、いくつかの要因が重なったとみられています。
なお、メガロドンと現代のホホジロザメの系統関係は研究が続いており、 直接の先祖かどうかにはいろいろな説があります(はっきり分かっていない部分もあります)。
化石から分かること
サメの体は軟骨なので残りにくいですが、かたい歯はよく残ります。 そのため、過去の生態や食性、分布を 歯の形や大きさから読みとる研究が進んできました。海で見つかるサメの歯の 化石は、時代や種類を知るカギになります。
現代のサメへ:つながる多様性
今日みられるサメは500種以上。ジンベエザメのように 濾過で餌をとる大型種、アオザメのように 高速で回遊するハンター、ネコザメのように かたい貝を砕く底もの食など、 それぞれの海に合わせた適応が見られます。
まとめ
- サメは約4億年の歴史の中で、軟骨の体や取り替えできる歯、 高い感覚などを発達させてきた。
- メガロドンの時代には巨大ハンターが海の食物網を支配したが、 環境の変化などで絶滅したと考えられる。
- 現代のサメの多様性は、長い進化の積み重ねの上にある。